【個人による散骨完全マニュアル】費用や手続きを仏教系大学の教員に聞いてきました!

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散骨はどこでできる?やり方や注意点をプロが解説

父が、「私が死んだら散骨してくれ!」といいます。散骨なんて、簡単にできるのでしょうか?法的に問題はないのですか?

もし両親の遺骨を散骨した場合、もともとあった先祖のお墓はどうすればいいのでしょうか?そもそもお墓や仏壇って必要ですか?

死んだら墓に入れずに、確実に散骨をしてほしい。子どもたちに実行してもらうにはどうすればいいか、手続きは必要でしょうか?

先祖代々から続くお墓に入るのではなく、地元のきれいな海へ散骨してほしい。

日本では人が亡くなると火葬してお墓に入るのが一般的ですが、自分の最期の住処は自分で決めたいと思うのは普通のことですよね。

日本海洋散骨協会の調査によると、現在、国内で散骨を具体的に検討している方は11%なものの、潜在的に「散骨したい」とお考えの方はかなりたくさんいるといわれています。

青い海に、キレイな花びらと一緒に散骨してもらい、この世に「さようなら!」を告げる。

映画のワンシーンのようでステキですよね。

ただ、この散骨。実は法的にグレーゾーンの部分があり、個人が勝手に散骨しようとすると、トラブルになる可能性があるので注意が必要です。

こんにちは。終活ポータルサイト『ゆたかに』の管理人を勤めている木村と申します。

私も子どものころに、「亡くなった人を全員お墓に埋めていたら、いつか日本中がお墓だらけになっちゃう!だからお墓なんて作らないで、散骨でよくないか?」なんてことを漠然と考えていたことがあります。

当時は散骨がなんなのかも、よくわかっていませんでしたが・・・。

一昔前までは、人が亡くなるとお坊さんを呼んで、お葬式をして、先祖代々のお墓に入る。
それが当たり前でしたよね。

しかし、近年は、「葬式はお金がかかり過ぎる!」「お墓も超高額!」「そもそも家族でお墓に入りたくない!」こんな不満を持つ方が増えてきました。

でも、散骨はだれでもすぐにできるわけではありません。

そもそも、日本での散骨は完全に適法とはいえず、違法にならないギリギリのところで、周りに気を遣いながら行われている現状があります。

たとえば、故人が「思い出の上野恩賜公園に散骨してくれ!」と願っていても、それはできません。

公園管理者の許可が下りないからです。

海で散骨しようにも、地元の漁業関係者に迷惑がかからないエリア(遠洋)まで、船で移動する必要があります。

さらに、自宅の庭で散骨するにしても、お隣さんに迷惑がかからないようにする必要があります。

このように、散骨といってもただご遺骨を撒けばいいわけではなく、ルールやマナーを守って散骨する必要があるわけです。

当然といえば当然ですよね。

そこで今回は、どうすれば安全かつリーズナブルに散骨できるのかを、海洋散骨会社に勤務する現役社員や日蓮宗の尼僧、仏教系大学の教員・僧侶に解説していただきました!

散骨をするうえで、まず気をつけたいのが、基本的なルールを守ること。

たとえば、『遺骨を2ミリ以下に細かく砕く』『遺骨のまま撒いてはいけない』『土をかぶせてはいけない』などは基本的なルールで、そこからさらに、散骨できる場所を探さなければなりません。

公園公共の河川や湖水源に近い場所漁業組合などが禁止している沿岸海水浴場などは、すべて散骨禁止エリアなので、注意しましょう。

また、散骨代行業者に依頼するのもよいですが、最近は葬儀業界に参入する企業が雨後の筍(たけのこ)のように増え、まさに玉石混交(ぎょくせきこんこう)の世界になっていて、よい業者を選ぶのも一苦労です。

たとえば、以下のような業者には注意が必要です。

  • 料金が極端に安い業者
  • 立ち合いの散骨を選べない、行っていない業者
  • 年間の散骨の実施件数など、これまでの実績を明らかにしていない業者
  • 電話やメールの対応が雑だったり、冷たかったりする業者

リーズナブルで便利なイメージのある散骨ですが、いざやろうとすると実は落とし穴がたくさんあるんです・・・。

せっかく故人の理想の形で送ってあげたいと思っていたのに、散骨の途中で失敗するなんてゼッタイに嫌ですよね。

今回の記事は、そんなことがないようにと、専門家のみなさん細かいところまで解説してくれました。

これから散骨を考えているご遺族の方はもちろん、すでに納骨を済ませてしまった方にもお役立ていただける内容になっていますので、少し長い記事ですが、どうぞ最後までお付き合いください。

それでは本編に入っていきたいと思います。

編集者
  • 木村 澪子

    木村 澪子

    テレビ、ネットメディアの取材歴15年。インタビュー取材を通して「家計に無理のない選択とは何か?」を追求し、主婦目線で情報をお届けすることをモットーにしております。両親の終活、姑の介護が現在進行中。家族は夫・娘・カブトムシの幼虫。

今回の記事制作にご協力いただいた方々
  • 海洋散骨会社に勤務する 三崎 多香子さん

    海洋散骨会社に勤務する 三崎 多香子さん

    地方都市の湯灌会社に20年勤務しています。葬儀社や寺社仏閣・火葬場・霊園と関わりのある仕事をしています。葬儀・終活・お焚き上げ・遺品整理・手元供養・海洋散骨などのサービスに携わっていますので、それらの情報や実態について詳しいです。時代とともに変わりゆく葬送儀礼を見守っています。

  • 日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

    日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

    日蓮宗寺院の副住職として、葬式などの仏事や人生相談をやっています。
    Face bookで超宗派の僧侶・尼僧・お寺の奥さんなどの寺族が自由に交流できるグループを設立管理。
    仏事・マナー・歴史などライターとしても活動しています。

  • 仏教系大学の教員・僧侶 釋じょうほうさん

    仏教系大学の教員・僧侶 釋じょうほうさん

    僧侶として25年の活動歴があり、これまで1,000名以上の方々のお葬式を導師としてお勤めしてまいりました。
    現在は、仏教系大学の教員として教育・研究に携わりつつ、宗派内外の各種研修会・講演会などの講師やライターとしても活動しています。

  • 北野誠一さん

    石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

    首都圏の石材店で墓所墓石を担当。永代供養墓、墓じまいのご相談も多く受けています。「供養の形が変わってもお客様が故人を想う気持ちは変わらない」をモットーに、お客様に一番合った供養の形を提案。時代の変化に供養業界もついていけるようにと常にアンテナを張っています。

  • 終活ライター 奥山晶子さん

    終活ライター 奥山晶子さん

    冠婚葬祭互助会に2年間勤務、その後、葬儀関連の記事を書くライターとして活動しています。散骨関連のNPOである「葬送の自由をすすめる会」の元理事。著書に、『葬式プランナーまどかのお弔いファイル』(文藝春秋)、『「終活」バイブル』(中公新書ラクレ)。

  • 終活アドバイザー 影山 理恵さん

    終活アドバイザー 影山 理恵さん

    仏事業界歴20年。葬儀・お墓・仏壇・返礼品などを取り扱う仏事の総合企業にて15年間勤務後、葬儀・お墓・仏壇のポータルサイトを営むエンディング業界の大手上場企業にて勤務していました。現在はフリーの終活アドバイザーとして活動中です。

にゃんきち

当サイト、ゆたかにのマスコットキャラクターのにゃんきちです!

今日は散骨にくわしい業界の専門家のみなさんにお話をうかがっていきます。

散骨は法的にも仏教的にも問題なし

にゃんきち

「死んだら海に散骨して欲しい・・・」最近はそんな風にお考えの方も増えていると聞きます。

しかし、散骨はそもそも日本で可能なのでしょうか?

法律的なことはもちろん、仏教の教えに反するようなことはないのでしょうか。

まずは基本的なことから専門家のみなさんにうかがってみましょう。

散骨はお墓以外の場所で遺骨をまく行為

散骨は地中に埋めず墓石もない

にゃんきち

まずは散骨について具体的に教えてもらえますか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

散骨は、遺骨をお墓に埋めずに、海や川、陸地などへ撒く弔い方(とむらいかた)です。

20年ほど前から「死んだらお墓を持たずに、自然に還りたい」という自然葬のニーズが広がり、散骨を希望する人が増えています。

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

普通なら、遺骨を骨壺に入れた状態でお墓や納骨堂に埋葬しますよね。

散骨は、骨壺から遺骨を取り出し、それを2ミリ以下のパウダー状になるまで砕いてから撒くのです。

にゃんきち

散骨は日本で行えるのでしょうか?

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

はい。実際に行われています。

散骨を専門に行う業者に依頼することもできますし、個人で行うことも可能です。

にゃんきち

にゃるほど。

散骨は法律で禁止も許可もされていない

散骨はルールを守らないと法律違反になる!

にゃんきち

法律的にも問題はないのですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

基本的には問題ありません。

しかし、厳密には、許されている行為でもないのです。

そもそも散骨について明記している法律は、日本にありません。

法務省が1991年にアナウンスした『散骨は葬送を目的として、節度をもって行えば違法にはあたらない』という見解だけが、法的なよりどころとなっている状態です。

にゃんきち

えぇと、つまり、グレーゾーンということでしょうか?

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

そこが微妙なんです。

そもそも遺骨は、『霊園や墓地として許可された場所でなければ、埋葬できない』と法律で決まっています。

ただし、これは『遺骨を埋葬』する場合の話で、散骨はこれに当てはまらないと解釈しているのです。

にゃんきち

にゃにゃっ!にゃんだか法の抜け穴的なカンジですね・・・。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

そうなんです!
もしかすると、今後散骨は遺骨の埋葬とみなされてしまうかもしれず、そうなったら罰せられるかもしれません。

ですから、節度を持って行うことが大切なわけですが、そのために散骨には日本海洋散骨協会が定めた独自のルールがあります(※1)

まず遺骨として人目に触れることがないよう、遺骨とわからない2ミリ以下のパウダー状に砕くこと。

また、埋葬にならないように、パウダー上になった遺骨の上に土をかぶせてはいけません。

にゃんきち

その独自ルールを守れば、散骨はどこで行ってもいいのですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

法律的には、散骨をする場所に制限はありません。

しかし、他人の迷惑になる場所や、トラブルになる場所は避けて行います。

にゃんきち

具体的に、どのような場所ですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

自宅の庭でもよろしいですが、隣のお宅の洗濯物に遺灰がかかったら迷惑ですよね。

ですから、お隣さんとの距離が近いお宅では難しいでしょう。

一般的には海で行われることが多いですが、ビーチや漁場からは遠い場所や海域まで行かなくてはなりません。

また、自治体によっては、条例で散骨を禁止しているところもありますので注意しましょう。

にゃんきち

にゃるほど、ちょっとここまでのお話を整理してみましょう。

  • 散骨のルール
    • 遺骨を2ミリ以下に細かく砕き、土の上に撒く
      • 遺骨のまま撒いてはいけない
      • 土をかぶせてはいけない
    • 私有地や周りに迷惑をかけない場所で、節度を持って行う
    • 海での散骨は漁業や観光に配慮し、沖合で実施
    • 散骨を禁止している自治体内では行わない(※1)
にゃんきち

散骨は場所やルールを守って行う必要があるんですね。

※1
北海道長沼町、七飯町、岩見沢市、長野県諏訪市、埼玉県本庄市、静岡県御殿場市では、条例で散骨を禁止しています。

仏教と相性がいい散骨

にゃんきち

日本国内では問題ないことがわかりました。

でも「遺骨を散骨するなんてバチ当たりかな・・・」と心配される方もいらっしゃるようです。

散骨は仏教的にみて、どうなのでしょう?

仏教系大学の教員・僧侶 釋じょうほうさん

散骨は仏教的にも問題ありません。

実は、お釈迦様自身が弟子に『葬式や墓は不要』といっているんですよ。

浄土真宗の開祖である親鸞(しんらん)も、「自分の遺体は川に捨てて、魚の餌にしてくれ!」と遺言しています。

つまり、仏教本来の教えでは、遺体は自然に還るものですから、散骨は仏教的な考えに沿っているといえるでしょう。

日蓮宗の尼僧 猪俣さん

日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

仏教的には、お釈迦様の時代から、墓を作らずに鳥葬(鳥に食べさせて骨だけにして残った骨をくだく)のような自然葬が行われていました。

仏教国のタイでは、今も散骨が一般的だそうです。

にゃんきち

にゃるほど、散骨は仏教的にもよろしいのですね。

しかし、「お墓がないと成仏できないのではないか?」と心配する人もいるようですが・・・。

仏教系大学の教員・僧侶 釋じょうほうさん

成仏とは、読んで字のごとく『仏に成る(苦しみから解放されて、みんなが幸せになることを願う存在になる)』という意味です。

ですから、成仏と墓の有無は関係ありませんよ!

にゃんきち

力強いお言葉・・・。

でも、散骨を反対・禁止するお寺もあるのではないでしょうか?

仏教系大学の教員・僧侶 釋じょうほうさん

私の知る限りでは、近年は散骨を認めるお寺のほうが一般的だと思います。

日蓮宗の尼僧 猪俣さん

日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

うーん・・・。
散骨に対する考えかたはお寺や僧侶によってさまざまですよ。

「散骨には反対!」「すべて散骨せずに、一部だけをお墓に・・・」というお寺もあります。

散骨することで、先祖のお墓を捨てて、お寺から離れてしまう方も多いでしょうから、お寺からすると複雑です。

にゃんきち

にゃるほど・・・。
仏教本来の教えでは問題なくても、お寺によっては散骨に反対しているところもあるかもしれませんね。

散骨には5つの方法がある

にゃんきち

では、実際に散骨をするにはどんな方法があるのでしょうか?

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

次のような方法があります。

散骨するための5つの手段

にゃんきち

フムフム。
海、陸、そして、宇宙に散骨なんて方法もあるんですね?

散骨は永代供養や樹木葬と比べると圧倒的に安い!

散骨のメリット・デメリット

にゃんきち

散骨がどういうものか、なんとなくわかりましたね。

今度は、散骨と他の埋葬方法と比べてみましょう。

費用やお参りなどの点から、散骨のメリットやデメリットがさらに見えてくるかもしれません。

散骨とお墓は何が違う?

にゃんきち

散骨はお墓に遺骨を埋葬するのと比べて、どんなところが違いますか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

散骨とお墓を比較する時に次のような点がポイントになると思います。

  • 墓石・墓標など目印の有無
  • 継続的な供養の可否
  • 自然との一体感
  • 初期費用や管理費の費用
にゃんきち

フムフム、いろいろな違いがありそうですね。

散骨は墓石や墓標が作れない

にゃんきち

まずは、墓標の有無ですね。

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

はい。
普通のお墓は墓石を立てて、だれが眠っているのかの目印にしますよね。

しかし、散骨をすると、「ここに撒きました」という目印は立てられません。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

お墓に埋葬すれば、お盆やお彼岸、命日などに墓を訪れ、故人に思いをはせることができます。

しかし、散骨すると、どこにお参りすればいいのか困ってしまいます。

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

どこに遺骨があるのかわからないという点で、散骨は親族間で揉めごとになることがあります。

家族や親戚の理解を得られにくいという点はデメリットですね。

にゃんきち

ううむ、たしかに・・・。

散骨は供養の手間が省ける?

にゃんきち

散骨すると、供養が難しいという反面、墓参りの負担が省けるんですね?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

そうなんです。
定期的な墓参りや墓掃除に負担を感じている、子どもたちには迷惑をかけたくないという理由から、散骨を選ぶ方もいますね。

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

ただし、墓には、供養を家族に頼めない人のために、永代供養という方法があります。

永代供養とは、永代供養料を支払えば、一定期間を過ぎても、墓を管理する霊園や寺院が、個人墓の管理を引き受けてくれるシステムです。

にゃんきち

にゃるほど。
お墓にも供養の手間を省く手段があるわけですね。

自然と一体になるには樹木葬という方法も

にゃんきち

散骨と同じように遺骨を自然に還す方法として樹木葬というのを耳にします。

これはどんな埋葬方法ですか?

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

樹木葬は、霊園にある木の下に埋葬する方法です。

石のお墓の代わりに樹木や草花などが墓標になります。

自然と一体になれる点では、散骨と近いですね。

横浜私営墓地「メモリアルグリーン」の樹木葬

シンボルツリー(木の墓標)の下に、1,000体の遺骨が埋葬されている(現在は完売)。

横浜市営墓地メモリアルグリーン 合葬式樹木型納骨施設

にゃんきち

フムフム、樹木葬は散骨と違って目印があるんですね。

散骨は初期費用が安く、管理費もかからない

にゃんきち

散骨は費用が安いのですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

費用だけで比較してみると、一般的な石のお墓の初期費用は200万~250万円納骨堂は30~150万円樹木葬であっても30万~100万円はかかるでしょう。

一方、散骨の相場は、業者にお願いする場合も5万~30万円程度、自分で行えば無料です。

にゃんきち

お墓を建てたあとは、管理費などがかかりますか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

はい、お墓は継続的な管理費もかかります。

管理費の相場はお墓の種類や場所によって異なりますが、年間5,000円~1万円程度かかると考えておくべきでしょう。

これを永年的に払い続けなければいけません。

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

ただし、お墓は一度建てれば、その後は管理費のみで家族が使用できます。

散骨の場合は、散骨する毎にお金がかかりますよね。

にゃんきち

にゃるほど。
それでも、総合的に見れば散骨は費用面で負担が少ないでしょうね。

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

散骨をほかの埋葬方法と比べると、つぎのような感じになりますね。

  散骨 一般墓 樹木葬 納骨堂
イメージ 海洋散骨 一般墓(普通のお墓) 横浜市営墓地メモリアルグリーン 合葬式樹木型納骨施設 納骨堂イメージ
説明 2ミリ以下に砕いた遺骨を撒く 家族や個人で受け継いでいく墓 木を墓標にした墓。
個人墓だけでなく共同で入る墓もある
遺骨を納める施設。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型など、さまざまなタイプがある。
初期費用 0~30万円 200万~250万円 20万~100万円 30万~150万円
管理費用
(年間)
0円 0~1万円 0~1万円 0~2万円
子孫への継承 × 墓の形態による
埋葬場所の判別 × 墓の形態による
自然との一体感 × ×

引用 善性寺落合院(広島市)http://wp1.fuchu.jp/~zenshouji/custom4.html

散骨のメリット・デメリット

にゃんきち

ここまでのお話から、散骨のメリット・デメリットをまとめてみました。

メリット
  • 初期費用が安い
  • 管理費など、継続的な費用不要
  • 墓参りや墓の管理不要
  • 自然に回帰できる
デメリット
  • どこに遺骨があるのかわからない
  • 継続的な墓参りができない
  • 家族に反対されやすい
にゃんきち

にゃるほど。
費用やお墓の継承というわずらわしさがないのが、散骨のメリットですね。

散骨に向いているのはこんな人

にゃんきち

こうしたことを踏まえると、どんな人に散骨がオススメできるのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

次のような方が、散骨には向いていると思いますよ。

  • お墓のことで子孫に迷惑をかけたくない人
  • お墓の購入にお金をかけたくない人
  • 配偶者やその先祖のお墓に入りたくないと考えている人
  • 自然に還りたいと考えている人
  • 宗教や墓参りにこだわりのない人
にゃんきち

にゃるほど。
散骨はお墓を持つことにこだわりのない方なら、オススメできる方法なんですね。

トラブルを避けるなら専門の散骨業者へ依頼しよう!

にゃんきち

では、実際に散骨を行う場合、業者にお願いするか、個人で行うかはどちらがいいのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

それぞれのメリットデメリットを整理してみましょう。

散骨業者に頼むメリット・デメリットをまとめると次のような感じです。

散骨業者に依頼するメリット
  • 粉骨までおまかせできる
  • トラブルのない散骨場所を知っている
  • 散骨証明書の発行が可能
  • 委託散骨なら散骨ごと依頼可能
  • 法要やセレモニーの発注も可能
散骨業者に依頼するデメリット
  • 費用がかかる(5~30万円程度)
  • 委託散骨の場合は、遺骨を雑に扱われている可能性
にゃんきち

フムフム。
業者に依頼すれば、費用はかかりますが、散骨によるトラブルなどを避けられる点が安心ですね。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

そうなんです。
一方、個人で散骨を行う場合は次のようなメリット、デメリットが考えられます。

個人で散骨するメリット
  • 費用がかからない
  • 故人や自分の好きな場所へ散骨できる可能性がある
  • 弔った実感がわく
個人で散骨するデメリット
  • 遺骨の粉骨を行わなければならない(粉骨業者に依頼すると1万~3万円)
  • 散骨場所の選定が難しい
  • 近隣とトラブルになる可能性がある

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

散骨を疑問視する人から否定的な言葉を浴びせられたり、迷惑行為だと罵倒されたりする可能性もあります。

個人で行う散骨は、法律に抵触しないように行うことが意外と難しいと思います。

にゃんきち

にゃるほど・・・。
自分でトラブルにならないような散骨場所を探すことは、ちょっと大変かもしれませんね。

散骨業者に依頼すると5万~30万円程度かかる

散骨業者は平均30万円かかる

にゃんきち

ここからは、実際に散骨の方法についてお話を聞いていきましょう。

まずは散骨代行業者に依頼する場合。

海洋散骨業者陸上の散骨業者宇宙葬などの業者があるようですね。

費用がいくらかかって、どんなサービスを提供するのか聞いてみましょう。

海洋散骨業者は最も手軽な手段

にゃんきち

まずは海に散骨をする海洋散骨業者について教えてください。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

海洋散骨業者は、船で遺族を散骨可能な沖合に連れて行き、散骨を行います。

業者に遺骨を預けて、散骨までお任せすることも可能です。

粉骨から、希望者にはお坊さんの手配まで、散骨に関連するものをすべて業者が準備します。

ゆたかに粉骨代表 宮永

ゆたかに粉骨代表 宮永

突然すみません!

ここで、『ゆたかに』が運営しているサービス、『ゆたかに粉骨』を紹介させてよ!

にゃんきち

おっと、急に出てこないでよ。

ゴホン、みなさま失礼いたしました。

当サイト『ゆたかに』が運営する粉骨・散骨サービス、『ゆたかに粉骨』の宮永 遼(みやながりょう)です。

ゆたかに粉骨代表 宮永

ゆたかに粉骨代表 宮永

こんにちは。
手前味噌なのですが、当社の『ゆたかに粉骨』の散骨を紹介させてください。

海洋散骨「ゆたかに粉骨」

ゆたかに粉骨

業社名 ゆたかに粉骨
https://yutakani.club/sankotsu-funkotsu/
散骨場所 江の島東京湾・大阪湾・沖縄
料金 江の島散骨、5寸(標準サイズ)の骨壺の場合、3万4,000~
(遺骨の引渡方法により異なる)
申込の流れ
  • 1電話かメールで問い合わせ、散骨場所やプランの選定
  • 2業者が自宅に出張して、遺骨を受取る
  • 3業者に埋葬許可証火葬許可証改葬許可証のいずれかのコピーを提出
  • 4業者側で粉骨作業を行う(業者に遺骨を持参して粉骨作業に立会いも可)
  • 5業者が代理で散骨を実施
  • 6後日、業者から、散骨風景を撮影した写真を掲載した「散骨証明書」が届く

ゆたかに粉骨代表 宮永

ゆたかに粉骨代表 宮永

当社は、自分で遺骨を散骨ができない方のために、代行で散骨をやらせていただいています。

足の悪い方や身体の不自由な方のために、遺骨を直接預かりに行くことも可能です。

散骨をご検討中の方は、ぜひご検討ください。

にゃんきち

しっかり宣伝しているな・・・。

まぁ、散骨はこんな感じで行われるのですね。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

現在、日本にある海洋散骨の業者はおよそ100社といわれています。

新しい業態ですから、はっきりとした数はわかっていません。

遺族を船に乗せて散骨してもらう個別散骨(20~30万円)、数組の遺族で船に乗り合う合同散骨(10万円程度)、遺族は立ち会わずにすべて業者に任せる委託散骨(5万円程度)を実施しています。

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

海洋散骨は天候・季節などにより、目的地に辿り着けない場合や当日欠航(別日に変更)もあります。

また、船酔いしてしまう方は、乗船は難しいかもしれません。

にゃんきち

埋葬許可証・火葬許可証・改葬許可証のいずれかのコピーを提出しなければいけないようですね?

これは具体的にどんな書類ですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

埋葬許可証(もしくは火葬許可証)は遺骨の埋葬を認めますという書類で、遺体の火葬後に必ず発行されるものです。

改葬許可証は、一度埋葬したお骨を取り出す場合に必要な書類です。

いずれも自治体が発行する公的な書類なので、業者としては犯罪に巻き込まれるようなことがないように提出してもらっているのでしょう。

にゃんきち

どんな海洋散骨業者があるのか、『ゆたかに編集部』で調べてみました。

海洋散骨の業者名
ゆたかに散骨
ブルーオーシャン
セレモニー
海洋散骨
フェニックス
さがみ典礼
アルファクラブ
志摩海葬
(株)きびたき
海郷帰
アスター せと
メモリアル中道
沖縄散骨
所在地 料金プラン 受付方法 遺骨の持込方法 散骨場所 申込に必要な書類 URL
東京都品川区 委託散骨:3~7万円(税込)
  • 電話
  • メール
  • 郵送
  • 来店
  • 出張
  • 東京湾
  • 大阪湾
  • 沖縄
  • 埋葬許可証(火葬許可証)のコピー
  • 申込者の本人確認書類のコピー
https://yutakani.club/sankotsu-funkotsu/process/powder.php
東京都江東区 チャーター散骨:25~27万円(税別)
合同乗船散骨:12万円(税別)
代行委託散骨:5万円(税別)
  • 電話
  • メール
  • 持込
  • 引取り
  • 東京湾など全国40ヵ所以上
埋葬許可証、火葬許可証、改葬許可証、遺骨引渡し証明書のいずれかのコピー https://blueoceanceremony.jp/
北海道札幌市 個別散骨:15万円(税別)
合同散骨:10万円(税別)
個別委託散骨:5万円(税別)
  • 電話
  • メール
  • 持込
  • 郵送
北海道小樽湾 埋葬許可証(火葬許可証)のコピー https://ocean.phoenixinc.co.jp/
福島県郡山市 チャーター散骨:29万8,000円(税込)
委託散骨:7万4,800円(税込)
  • 電話
  • メール
  • 持込
  • 引取り
  • 福島県小名浜沖
  • 茨城県大洗沖ほか
  • 埋葬許可証(火葬許可証)のコピー
  • 戸籍(除外)謄本のコピー
https://www.sagamitenrei.com/after/ocean
愛知県名古屋市 個人散骨:15万~18万8,000円(税別)
委託散骨:4万8,000円(税別)
  • 電話
  • FAX
  • メール
  • 持込
  • 引取り
志摩半島沖
  • 埋葬許可証(火葬許可証)のコピー
http://simakaisou.com/
大阪府大阪市 チャータープラン:22万8,000円(税別)
代行プラン:4万8,000円(税別)
  • 電話
  • FAX
  • メール
個別に相談
  • 若狭湾
  • 大阪湾
  • 瀬戸内海など
調査中 https://www.kibitaki-satogaeri.com/
広島県広島市 チャータープラン:24万8,400円(税込)
代理散骨:5万4,000円(税込)
  • 電話
  • メール
引取り 瀬戸内海 埋葬許可証のコピー http://sankotu.asterseto.com/
福岡県福岡市 チャーター:15万~30万円(税別)
委託:8万円(税別)
  • 電話
  • メール
調査中 博多湾沖
  • 埋葬許可証(火葬許可証)、もしくは改葬許可証のコピー
http://www.m-chudou.com/kaiyo.html
沖縄県恩納村 貸し切り:20万~25万円(税込)
代行散骨:8万5,000円(税込)
  • 電話
  • メール
郵送 恩納村沖 火・埋葬許可証、死亡届出書、除籍謄本のいずれかのコピー https://okinawa-sankotsu.jp/
にゃんきち

にゃるほど・・・。
一番安いものだと、3万円程度で散骨ができるんですね。

日本には数社しかない陸上散骨会社

にゃんきち

つづいて、陸上散骨業者について教えてください。

どのような業者なのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

陸上散骨は、山麓などの広い私有地を確保している業者が、その土地の中で散骨できるスペースを設け、遺族が散骨を行ったり、代理で散骨を行ったりします。

山林・樹木散骨「やすらぎの郷」

陸上散骨やすらぎの郷

引用https://yasuraginosato.co.jp/sankotsu/

業者名 やすらぎの郷
https://yasuraginosato.co.jp/sankotsu/
所在地 群馬県前橋市
散骨場所 群馬県赤城山山麓
料金 委託散骨 4万7,000円
ご一緒に散骨 5万2,000円

【オプション】
供花・線香 3,000円
宗教者の手配 3万円~
セレモニーの実施 3万5,000円~
申込の流れ 「ご一緒に散骨」(供花・線香を注文した時)の場合
  • 1電話かメールで問合わせ、プランの選定や日程の決定
  • 2事前に遺骨を業者に郵送(もしくは業者が遺骨を預かりに来る)
  • 3業者側で粉骨作業を行う
  • 4遺族が現地に集合。業者の車で散骨場所までの移動
  • 5散骨場所に到着。遺族が献花用の花びらと共に散骨・合掌(線香を立てることも可)。業者はその様子を写真撮影
  • 6後日、業者から、散骨風景を撮影した写真を掲載した散骨証明書が届く

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

こうした業者は、民家のないエリアに散骨場所を確保しています。

墓石は立てられませんが、散骨後も自由にお参りをすることが可能です。

ただし、陸上に散骨を行う業者は海洋散骨に比べるとごくわずかです。

にゃんきち

ほかにどんな陸上散骨の業者があるのか、こちらも『ゆたかに編集部』で調査をしてみました。

陸上散骨の業者名
戸田葬祭サービス
株式会社
カズラ事業部
やすらぎの郷
サンライフ
所在地 料金プラン 受付方法 遺骨の持込方法 散骨場所 申込に必要な書類 散骨後のお参り URL
島根県
隠岐郡
施主散骨:26万5,000円(税別)
委託散骨:22万5,000円(税別)
  • 電話
  • メール
  • 現地持込
  • 郵送
島根県隠岐郡カズラ島
(大山隠岐国立公園)
  • 埋葬許可証(火葬証明書)のコピー
  • 申込者の本人確認書類のコピー
http://www.kazurajima.jp/
群馬県
前橋市
委託散骨:4万7,000円
ご一緒に散骨:5万2,000円
  • 電話
  • メール
  • 引取り
  • 郵送
群馬県赤城山山麓 なし https://yasuraginosato.co.jp/
神奈川県
平塚市
個人葬+粉骨:23万円
  • 電話
  • メール
  • 引取り
  • 持ち込み
  • 郵送
神奈川県小田原市
国府津
埋葬許可証(火葬証明書)のコピー https://www.moshimo.net/after/nature/mountain.php
にゃんきち

墓石は立てられませんが、後からお参りができる点はいいですね。

遺骨が宇宙に行ける「宇宙葬」は高額

にゃんきち

つづいて、宇宙葬というものを行う業者があるようですね。

これはどんな散骨なのでしょうか。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

宇宙葬は専用のカプセルに遺灰を入れて、それをロケットや人工衛星で打ち上げる方法です。

小規模なものですと、ヘリコプターやドローン、風船を使って海上などに、散骨を行うこともあります。

海洋散骨や陸上散骨に比べると、20万~100万円程度と費用が高めです。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

人工衛星に遺骨を積む宇宙葬は、人工衛星の中で遺骨が何十年もグルグルと地球を周回します。

アメリカで実施されるので、日本にはその受付を代行している業者がいくつかあります。

宇宙葬「スペースメモリアル」

宇宙葬

引用https://xn--29sob915t.com/

業者名 スペースメモリアル
https://xn--29sob915t.com/
所在地 大阪府大阪市/東京都港区
散骨場所 アメリカ宇宙
料金 人工衛星プラン:95万円
宇宙飛行プラン:45万円
月旅行プラン・宇宙探検プラン:250万円
申込の流れ 人工衛星プラン(遺灰を納めたカプセルを人工衛星に搭載して打ち上げ、240年間軌道上を周回)の場合
  • 1電話かメールで問い合わせ、予約を取る
  • 2業者に申込者の本人確認書類のコピー、埋葬許可証・火葬許可証のいずれかのコピーを郵送
  • 3フライト決定後、業者が遺族に搭乗券を送付
  • 42~3gの遺骨を業者宛に郵送(もしくは業者が預かりに来る)
  • 5打ち上げ数日前に、遺族が人工衛星の打ち上げを行う現地(アメリカ)へ移動
  • 6現地到着、遺族が打ち上げを行う空軍基地の施設見学
  • 7人工衛星の打ち上げを見送り
  • 8後日、業者から記念品が届く

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

宇宙葬の場合は、すべての遺骨ではなく、数グラムのごくわずかな量しか送ることができません。

また打ち上げの現地にまで行く場合はその旅費もかかります。

にゃんきち

にゃるほど。
ほかにも同じような業者をみてみましょう。

陸上散骨の業者名
スペースメモリアル
Sorae(ソラエ)
エリジウム・スペース
バルーン工房
所在地 料金プラン 受付方法 遺骨の持込方法 散骨場所 申込に必要な書類 URL
大阪府大阪市
/東京都港区
人工衛星プラン:95万円
宇宙飛行プラン:45万円
月旅行プラン・宇宙探検プラン:250万円
  • 電話
  • メール
  • 郵送
  • 引取り
アメリカ宇宙
  • 申込者の本人確認書類のコピー
  • 埋葬許可証(火葬許可証)のコピー
https://xn--29sob915t.com/
東京都
品川区
流れ星供養:30万円
  • メール
  • 郵送
アメリカ宇宙 調査中 https://space.minrevi.jp/
栃木県
宇都宮市
バルーン宇宙葬+粉骨:26万円(税別)
  • 電話
  • メール
  • 郵送
  • 引取り
  • 東京都江戸川区
  • 宇都宮市など
なし http://www.balloon-sou.com/
にゃんきち

宇宙葬はロマンがありますが、実施するにはかなりお金がかかりますね・・・。

海洋散骨・陸上散骨・宇宙散骨の比較

にゃんきち

これまで紹介した3つの散骨業者のタイプを比較してみましょう。

散骨業者 海洋散骨 陸上散骨 宇宙散骨
イメージ 海洋散骨 陸上散骨 宇宙散骨
費用 5万~30万円程度 5万~20万円程度 30万~100万円程度
メリット
  • 業者が多く選べる
  • 華やかなセレモニーも可
  • 費用が安い
  • 散骨後もお参りが可能
ロマンがある
デメリット
  • 天候により日程変更がある
  • 船酔いする人は厳しい
業者が少ない
(場所も少ない)
  • 費用が高額
  • 日本国内では不可
  • 業者が少ない
にゃんきち

フムフム。
海、山、宇宙・・・故人に一番思い入れのある場所を選んであげられるといいですね。

お坊さんに立ち会ってもらうこともできる

にゃんきち

こうした散骨を行う時に、お墓に納骨するときのようにお坊さんにお経をあげてもらうことはできるのでしょうか?

日蓮宗の尼僧 猪俣さん

日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

できますよ。
たとえば、海洋散骨や陸上散骨では、ご遺族が散骨されるところに僧侶が同行し、お経をあげることができます。

宇宙葬に同行した話は聞いたことがありませんが・・・。

にゃんきち

お坊さんにお経をあげてもらう場合、お布施はいくら包めばいいのでしょうか?

日蓮宗の尼僧 猪俣さん

日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

だいたい5万~10万円ではないでしょうか。

納骨時のお布施と同じ額ですね。

現地までのお車代(交通費)も1万円程度包んだほうがいいです。

にゃんきち

にゃるほど。

業者を選ぶときの注意点

にゃんきち

散骨を行う業者はどのように探せばいいのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

一番手っ取り早いのはインターネットで『散骨』『散骨 地名』で検索することですね。

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

葬儀会社と提携している散骨会社があるので、葬儀会社に相談してみましょう。

葬儀場に散骨業者のパンフレットが置かれていることもあります。

遊覧船や観光船の事業を行っている会社でも、海洋散骨を行っていることもありますね。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

海洋散骨の業界団体サイトから業者を探すのもオススメです。

一般社団法人 日本海洋散骨協会
https://kaiyousou.or.jp/member.html

こちらには、法律を守り、住民とトラブルにならないよう独自のガイドラインを設けて散骨を行っている業者が加盟しています。

にゃんきち

散骨業者を選ぶときにチェックしたいポイントはなんですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

次のような点をチェックしましょう。

  • 散骨場所はどこか
  • トータルの費用がいくらかかるか
  • どのように遺骨を粉骨するか
  • 散骨の証明書を発行してくれるか
  • 散骨に立ち会いできるか
  • 散骨の実施件数などの実績

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

インターネットに登場する散骨業者は玉石混交です。

散骨証明書が発行されるかを確認してみてください。

できれば、数社から見積もりを取ってみましょう。

にゃんきち

こんな業者は注意という点がありましたら教えてください。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

次のような業者は注意したほうがいいですね。

  • 料金が極端に安い業者
  • 立ち合いの散骨を選べない、行っていない業者
  • 年間の散骨の実施件数など、これまでの実績を明らかにしていない業者
  • 電話やメールの対応が雑だったり、冷たかったりする業者

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

料金が安すぎる業者、立会散骨ができない業者は要注意です。

素人同然の業者に頼んでしまうと、散骨がグレーなので、トラブルに巻き込まれる可能性があります。

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

遺族が乗船する散骨を実施するには、運輸局に届出をしている業者でなければ行えません。

こうした約款があるかどうかを確認してください。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

実際に預かった遺骨を適当に処分したため、犯罪として摘発された事例もあります。

散骨・粉骨の実績がない業者は避けたほうがいいですね。

にゃんきち

にゃるほど。
実績や接客態度をしっかり見極めたほうがよさそうですね。

自分で散骨を行えば無料!でも場所は限られる

個人が散骨できる場所は

にゃんきち

業者に散骨をお願いせず、自分で散骨することもできるようですね。

自分で散骨をする場合の必要な手続き、どこで散骨をすればいいか、注意点などを聞いてみましょう。

個人で散骨をする前に準備すべき2つのこと

にゃんきち

散骨を行う時に必要な書類や手続きはあるのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

基本的に必要な手続きはありません(※2)
事前に必要な準備は次の通りです。

  • 場所を決める(条例で散骨禁止の自治体ではないか確認)
  • 遺骨をすり鉢やミキサーなどで遺骨だとわからない程度までに粉骨する(2ミリ以下)
にゃんきち

そうでした・・・。
これは重要ですね。

※2
一度墓に埋葬した遺骨を撒くならば『改葬許可申請書』を墓のある自治体の役所に提出し、『改葬許可証』を交付されてから遺骨の取り出しが必要。

粉骨は誰に頼めばいいの?

にゃんきち

骨を2ミリ以下にする粉骨は自分で行っていいのですか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

自分で行っても問題ありません。

ただし、固い遺骨を粉骨にするための道具・・・ミキサーやすり鉢が手元にありませんよね?

粉骨を専門に行っている業者があるので、『粉骨 ○○(地名)』で検索してみてください。

ゆたかに粉骨代表 宮永

ゆたかに粉骨代表 宮永

当社では、粉骨のみも受付けていますよ!

にゃんきち

うわ!また出てきた・・・。

散骨業者に粉骨だけ頼むこともできるの?

ゆたかに粉骨代表 宮永

ゆたかに粉骨代表 宮永

もちろんです!!粉骨のみのほうが料金もお安いです。

ちなみに当社では、粉骨は8,500円から受け付けております。

詳しくはこちらをご覧ください。

https://yutakani.club/sankotsu-funkotsu/service/charge.php

にゃんきち

またちゃっかり宣伝してきたな・・・。

自由に散骨できる場所はほぼない

にゃんきち

散骨ができる場所は、どんな場所でしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

次のようなところなら、散骨は可能です。

散骨が可能な場所
  • 自身が所有している土地(なおかつ近隣の人の迷惑にならない場所)
  • 近くに海水浴場や漁場、養殖場がない海
  • 霊園内に散骨場所として許可されている場所
散骨ができない場所
  • 他人の私有地
  • 公園
  • 公共の河川や湖、水源に近い場所
  • 国有地(管理者の許可が必要)
  • 漁業組合などが禁止している沿岸
  • 養殖場の近く
  • 海水浴場
にゃんきち

ぐるるる・・・、散骨できる場所ってほとんどないですね・・・。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

そうなんですよ。
無闇矢鱈に散骨はできません。

にゃんきち

にゃるほど・・・。
実際に個人で散骨を行った方は、どこに撒いているのでしょうか?

石材店の営業として10年のキャリア 北野誠一さん

ご自分が所有する山に撒く方がいらっしゃいましたが、ごく少数派ですね。

ほとんどは海に散骨される方が多いです。

一年に一度家族で集まって、故人を思い出しながら、毎年船を借りて少しずつ海にという方がいらっしゃいました。

にゃんきち

にゃるほど・・・
少しずつ撒く方もいらっしゃるのですね。

個人で散骨を行う場合の注意点

個人で散骨する時のNG行為

にゃんきち

個人で散骨を行う場合、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

次のような点に気をつけましょう。

  • 人気のないところで行う
  • 喪服は避ける(人目に付くとトラブルになる可能性)
  • 線香は手向けない
  • 花やお供えもしない(おいても必ず持ち帰る)
  • 勝手に墓標や石をおかない
  • 土をかぶせない(法律違反になる)
  • 海洋散骨は水溶性の紙に包んでから海へ
  • 埋葬許可証を持参しておく(念のため)

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

海洋散骨では、そのまま撒くと、風にあおられて粉骨を身体にかぶってしまうことがあります。

ですから、海に散骨する場合は、水溶性の紙(水に溶ける紙)に包んで、その紙ごと海に沈めます。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

個人で行うなら、ごく僅かな微量のお骨を撒くことですね。

喪服などの改まった服装は避け、ひとつまみ程度の量を誰にも分からないように故郷の海などへ分散して散骨します。

にゃんきち

散骨を行うのに、オススメの時期はありますか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

タイミングとしては、故人の命日や誕生日など、散骨した日を覚えていられるような日取りがふさわしいです。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

本来は春や秋などの季節が理想ですが、観光シーズンは人目が多いので、土日や連休を避けてなるべく人の少ない平日に行うといいのではないでしょうか。

にゃんきち

にゃるほど。
トラブルを避けるためにも、あくまでひっそりと行うことがポイントなんですね。

散骨したいけど難しい・・・と思った時の対策

にゃんきち

散骨に関するお悩みをお持ちの方からの悩みに、専門家の皆さんが答えてくださいました。

確実に散骨にするには必ず家族会議をしておく

お悩み①

自分が死んだら、確実に子どもたちに散骨をしてもらうには、どのような準備が必要でしょうか?

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

ご自身が散骨を希望されているのであれば、エンディングノートや遺言として遺しておくことができます。

また、ご家族で話し合いを重ねておくことも重要です。

どんな方法でどこに散骨するのか、具体的な内容まで話し合い、記録を残しておけば、お子様たちも実行に移しやすいのではないでしょうか。

散骨業者は生前の予約も可能です。

「故郷に散骨」なら家族もOKする

お悩み②

散骨をしたいと思っても、家族に反対されます。

家族の理解を得るにはどうしたらいいでしょうか?

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

多くの人は散骨がなにかわからないから、不安に感じるのだと思います。

情報を集めて、散骨業者の見学会に家族で行ってみるなど、一緒にイメージをつかんでいくことも大切ですね。

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

「故郷の地に散骨して欲しい」「サーフィンが好きだったから海に散骨して欲しい」という理由だと、身内がすんなり許してくれるかもしれません。

散骨を後悔しないために、分骨や手元供養

お悩み③

散骨してしまうと、お参りができないので、後悔するのではないかと思います。

後悔しないためにどんな工夫をできますか?

海洋散骨会社に勤務する 三崎多香子さん

すべて散骨するのではなく、わずかな遺灰を手元に残すこともできます。

遺骨の一部を宝石に加工したり、小さな骨壺に入れて自宅に置いたり、手元供養という方法を取る方も多いですね。

インテリアに馴染む骨壷や納骨できるフォトフレームなど、手元供養の商品も多数あります。

手元供養ができる道具

ミニ骨壺 骨壺付き写真立て 遺骨を入れる
アクセサリー
ミニ骨壺 骨壺付き写真立て 遺骨を入れるアクセサリー

引用 未来創造https://www.miraisoso.net/
引用 メモリアアレカ本店https://www.memoria-areca.net/

終活アドバイザー 影山 理恵さん

終活アドバイザー 影山理恵さん

一部のお骨のみを散骨し、残りのお骨は永代供養墓などのお墓へ分骨すれば、お墓参りも可能です。

終活ライター 奥山晶子さん

終活ライター 奥山晶子さん

三回忌などの節目に、散骨した場所に船で連れて行って法要を行うプランを用意してくれる散骨業者もあります。

東京湾に散骨すれば、レインボーブリッジや羽田空港に行った時に、海に向かって手を合わせることも可能ですよ。

にゃんきち

にゃるほど!
レインボーブリッジや羽田空港のような、東京湾がよく見えるスポットからお参りするというのもいいですね。

羽田空港

羽田空港

レインボーブリッジ

レインボーブリッジ

散骨をしたら位牌・仏壇はどうなる?

お悩み④

散骨後、自宅にある仏壇や位牌はどうすればいいのですか?

日蓮宗の尼僧 猪俣さん

日蓮宗の尼僧 猪俣紫蘭さん

散骨でも遺骨をお墓に埋葬でも、基本的には同じと考えればいいと思います。

仏壇や位牌、過去帳などはご先祖様の記録ですので、今まで通り大切にして、お線香を上げてください。

にゃんきち

にゃるほど・・・。
家族でよく話し合い、自分らしい弔いかたを見つけていただきたいですね。

みなさん、本日はありがとうございました!

まとめ

にゃんきち

最後に今回のポイントを振り返ってみましょう!

散骨とは?

  • 遺骨をお墓に埋めず、海や川・陸地などへ撒く弔い方(とむらいかた)
  • 散骨の専門業者にお願いする方法と、個人で行う方法がある
  • 仏教的にも問題はないといわれている

散骨を実施するために守るべきルール

  • 霊園以外の場所に遺骨を埋葬する(土をかぶせる)ことは法律違反
  • 遺骨を2ミリ以下に細かく砕き、土の上に撒く
  • 遺骨のまま撒いてはいけない
  • 土をかぶせてはいけない
  • 私有地&周りに迷惑をかけない場所で「節度を持って行う」
  • 海での散骨は漁業や観光に配慮して、沖合で実施
  • 散骨を禁止している自治体(埼玉県秩父市など)ではNG

散骨とお墓の比較

弔いかた 散骨 一般墓 樹木葬 納骨堂
説明 2ミリ以下に砕いた遺骨を撒く 家族や個人で受け継いでいく墓 木を墓標にした墓。
個人墓だけでなく共同で入る墓もある
遺骨を納める施設。ロッカー型・仏壇型・自動搬送型など、さまざまなタイプがある。
初期費用 0~30万円 200万~250万円 20万~100万円 30万~150万円
管理費用
(年間)
0円 0~1万円 0~1万円 0~2万円
子孫への継承 × 墓の形態による
埋葬場所の判別 × 墓の形態による
自然との一体感 × ×

散骨のメリットとデメリット

メリット
  • 初期費用が安い
  • 管理費など、継続的な費用不要
  • 墓参りや墓の管理不要
  • 自然に回帰できる
デメリット
  • どこに遺骨があるのかわからない
  • 継続的な墓参りができない
  • 家族に反対されやすい

散骨はこんな人におすすめ

  • お墓の継承について子孫に迷惑をかけたくない人
  • お墓の購入にお金をかけたくない人
  • 配偶者やその先祖のお墓に入りたくないと考えている人
  • 自然に還りたいと考えている人
  • 宗教や墓参りにこだわりのない人

散骨業者への依頼と個人散骨の比較

散骨業者に依頼するメリット
  • 粉骨までおまかせできる
  • トラブルのない散骨場所を知っている
  • 散骨証明書の発行が可能
  • 委託散骨なら散骨ごと依頼可能
  • 法要やセレモニーの発注も可能
散骨業者に依頼するデメリット
  • 費用がかかる(5~30万円程度)
  • 委託散骨の場合は、遺骨を雑に扱われている可能性

散骨業者とは?

費用 メリット デメリット 費用
海洋散骨業者
  • 業者が多いので選べる
  • 華やかなセレモニーも可
  • 天候により日程変更がある
  • 船酔いする人は厳しい
5万~30万円程度
陸上散骨業者
  • 費用が安め
  • 散骨後もお参りが可能
  • 業者が少ない
  • 散骨できる場所も少ない
5万~20万円程度
宇宙葬業者 ロマンがある
  • 費用が高額
  • 日本国内では不可
  • 業者が少ない
  • 年に数回しか実施していない
30万~100万円程度

散骨業者を選ぶときの注意点

インターネットで『散骨 ○○(地名)』などで検索、または葬儀会社からの紹介で探す

散骨業者を選ぶときにチェックしたいポイント

  • 散骨場所はどこか
  • トータルの費用がいくらかかるか
  • どのように遺骨を粉骨するか,
  • 散骨の証明書を発行してくれるか
  • 散骨に立ち会いできるか
  • 散骨の実施件数などの実績

次のような散骨業者には注意

  • 料金が極端に安い業者
  • 立ち合いの散骨を選べない、行っていない業者
  • 年間の散骨の実施件数など、これまでの実績を明らかにしていない業者
  • 電話やメールの対応が雑だったり、冷たかったりする業者

個人で散骨できる場所、できない場所

散骨が可能な場所
  • 自身が所有している土地(なおかつ近隣の人の迷惑にならない場所)
  • 近くに海水浴場や漁場、養殖場がない海
  • 霊園内に散骨場所として許可されている場所
散骨ができない場所
  • 他人の私有地
  • 公園
  • 公共の河川や湖、水源に近い場所
  • 国有地(管理者の許可が必要)
  • 漁業組合などが禁止している沿岸
  • 養殖場の近く
  • 海水浴場

個人で散骨する時の注意点

  • 人気のないところで行う
  • 喪服は避ける(人目に付くとトラブルになる可能性)
  • 線香は手向けない
  • 花やお供えもしない(おいても必ず持ち帰る)
  • 勝手に墓標や石をおかない
  • 土をかぶせない(法律違反になる)
  • 海洋散骨は水溶性の紙に包んでから海へ
  • 埋葬許可証を持参しておく(念のため)
にゃんきち

いかがでしたか?

散骨は一見、自由度が高そうですが、意外と自由ではない・・・ということがよくわかりましたね。

散骨をめぐって、家族で意見がまとまらないこともあるようです。

もしあなたやご家族が散骨を希望されている時は、デメリットを理解したうえで、みなさんでよく話し合ってみてください。

せっかくのこだわりを台無しにしないためには、結論を急がず、段階を踏むことが大切です!

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