おしゃれな仏壇に買い替えてもいい？注意点は？

住宅事情などもあって、お仏壇を買い替える方はたくさんいます。

一軒家からマンション等に引越しされる場合に、今まであった仏間が無い場合がほとんどですので、大きなお仏壇から小さなお仏壇に替えられる方が多いようです。

仏間が無いという事は、お仏壇を安置する場所もリビングになるケースが多いようで、古めかしいお仏壇からモダンなお仏壇に替える事もよくある話なので、お仏壇の買い替え自体は全く問題ありません。

お仏壇を入れ替える際には、古いお仏壇からの魂抜き（浄土真宗ではお仏壇には魂が宿るものではなく、魂の入っているお位牌もないので不要）をして、新しいお仏壇への魂入れ・仏壇開き・お移し等と呼ばれる法要（浄土真宗では、入仏法要）を菩提寺の住職にお願いします。

簡単に言うと、ご先祖様のお引越しをする感じです。仏教の概念では、必要な法要となっています。

仏壇を買い替えることを禁じている宗派は明確には存在しませんが、僧侶によってはそのような考え方をお持ちのこともあるようです。

仏壇を買い替える場合には古い仏壇の処分が必要です。買い替え時に引き取ってもらえばスムーズに処分ができてよいでしょう。

また、仏壇には大事な書類などをしまっておくこともあります。古い仏壇は直前まで中に何も残っていないかを必ず確認しておきましょう。

仏壇の買い替えは問題ありません。ただし事前に押えておくポイントは３点です。1つ目は、僧侶に前もって意向を伝えておくことです。

今までの仏壇に「精（しょう）抜き」のお経をあげていただき、新しい仏壇が納品されたら「精移し」のお経をあげていただくことです。

ご先祖様の宗派を正確に把握し、仏壇店に伝えること。仏壇店に古い仏壇を引き取ってもらうよう交渉しておくことです。

仏壇といえば、かつての仏間がある日本家屋に合うデザインが主流で、ご質問者様が従来型の仏壇を「古くさい」と感じられるのも無理がないかもしれません。

確かに、ご質問者様と同じように、おしゃれなデザインの仏壇に替えたいと考える方も増えてきています。

どのようなデザインにしても、ご自宅に仏壇をご安置し、手を合わせるということが、まず大切です。

言葉尻を捉えるようで申し訳ありませんが、もし買い換える理由が「古くさいから」ということであれば、買い換えない方がいいでしょう。

ご質問者様から見れば「古くさい」かもしれませんが、その仏壇に手を合わせてこられた方がいらっしゃいます。

これらの方々が大切にしてこられた仏壇です。その歴史への敬意が必要です。

使い捨て商品のように次々と仏壇を買い換えることを問題にするのは、そういった敬意を忘れないように戒める意味があります。

10年前、20年前のファッションや家電を思い出してください。

当時、最新モデルであったものは、今や「古くさい」ものとなっています。同じように、いま流行りのデザインの仏壇も、いつかは「古くさい」仏壇となります。

その時にまた買い換えたくなりそうなら、今回買い換えるのはやめておいた方がいいです。

しかし、ご質問者様がそこまで仏壇やご先祖に敬意のない方には思えません。敬意の気持ちをお持ちだからこそ、ご質問されたのでしょう。

ちょっと視点を変えて、買い換えの動機を「別のデザインの方が、もっと手を合わす機会が増えそうだから」というものにして、新しい仏壇を選んでみてはいかがでしょうか。

素敵なデザインの仏壇なら、思わず手を合わせたくなりますよね。

「古くさい」というよりもポジティブで、ご先祖も喜ばれるでしょう。これまで仏壇に手を合わしてきた歴史を尊重しながら、「手を合わせる新たな歴史を自分が作って、次の時代に引き継いでいくために買い換える」ということなら、ぜひ買い換えればいいと思います。

末長く手を合わせたくなるような、素敵な仏壇に出会えればいいですね。