墓じまいするのに、費用はどれくらいかかりますか？

葬儀業界で2年間働いた後、葬儀やお墓に関わるライターをしている奥山と申します。
未来を見据えて、自分の子どもたちに迷惑が掛からないよう、今のうちに墓じまいの費用について押さえておきたいということですね。

先祖の遺骨をどこかの合同墓に移して、お墓をすべて壊すような場合、以下のような費用が必要です。
費用についてはあくまで目安なので、参考程度にとどめていただければ嬉しいです。

・古いお墓での閉眼供養のお布施……単に法要のためのお布施と捉えれば3万円から5万円ですが、「今までお世話になったことへのお礼」として、さらに厚く包む人もいます。
・古いお墓のお寺への離檀料……お寺からの申し出がない限り必要ありません。もし、申し出があったとしても、納得できない多額の場合は話し合いを持ちましょう。
・遺骨の取り出し費用・墓石の撤去費用（石材業者への支払い）……小規模なお墓でも10万から20万程度の撤去費用がかかります。石材業者から、一度見積もりをもらったほうがいいでしょう。また民間の霊園や寺院墓地の場合、指定の石材業者がある場合がほとんどですので、紹介してもらいましょう。
・洗骨費用（郵送費込み）……3万円から5万円程度。古い骨壺の中には水が溜まっていたり、遺骨が真っ黒になってしまっていたりするものです。「新しいお墓へ遺骨を納骨するなら、キレイな状態のほうがよい」と考える人は、洗骨サービスを利用するのがいいでしょう。
・新しいお墓への遺骨の運搬料（ゆうパック）……大きさにより、1000円から3000円程度。遺骨の運送を受け付けているのは今のところゆうパックのみで、民間業者からは送れません。
・墓所使用承諾証（または受入証明書）・改葬許可申請書など、必要書類の発行手数料……1000円～3000円程度。公的書類の発行料金は数百円ですが、遠方により郵送が必要な場合もあるため、予算立てしておきましょう。
・合同墓への納骨費用……10万円～30万円が相場ですが、あくまで1体の料金です。遺骨がいくつもある場合は膨大な金額になることもあります。骨壺を１～３つにまとめて供養することもできるため、合同墓を管理する霊園に相談してみましょう。

以上のように、金額が大きくなるのは撤去費用と合同墓への納骨費用です。この2つについてだけでも、見積もりを取り寄せるなどして心づもりされておくことをお勧めします。
コロナさんが、安心して墓じまいをされますよう、お祈りしています。